手形割引の日栄倉庫株式会社

手形・でんさい vs 売掛金:下請事業者にとって本当に有利なのは?

先日、過去に一度だけお取引があった企業様が利用されていたと思われるファクタリング業者から見慣れない封筒が当社に届きました。中には「請求債権目録」という、聞き慣れないタイトルの書類。当社としましてはお取引の企業様とは3年以上取引も無く連絡も取れない事から、そのままの状態です。

近年、下請代金の支払遅延を防ぎ、下請事業者の資金繰りを安定化させるため、下請法が改正され、手形決済から売掛金や電子記録債権(でんさい)への移行が推奨されています。手形がなくなるのは、下請事業者にとって良いことばかりなのでしょうか?

確かに、でんさいは電子データで管理され、金融機関で割引することで期日前に資金化できるというメリットがあります。しかし、売掛金となると話は別です。銀行の短期借入が難しい中小企業にとっては、売掛金を現金化する手段としてファクタリングという選択肢も存在します。

私たちの業界では、融資を受ける際と同様に年利で手数料を計算することが一般的です。しかし、一部のファクタリング業者によっては、売掛金「額面の数%」を手数料として設定する場合があり、売掛金額が大きくなればなるほど、まるで雪だるま式に手数料が膨らんでいくようなケースも耳にします。これって、本当に下請事業者のためになる仕組みなのでしょうか?

今回の請求債権目録の件は、私たち中小企業にとって、取引の透明性や契約内容の重要性を改めて痛感させられる出来事でした。お客様とのファクタリング契約がどのようになっていたのか、私たちには知る由もありません。

私としましては、売掛金よりも手形でんさいの方が、下請事業者の方々にとっては資金計画を立てやすく、早期の資金化の選択肢もあるため、より良いのではないかと考えています。特に、でんさいは電子データで管理されるため、紛失のリスクも低く、透明性の高い取引が期待できます。もちろん、手形にも期日までの期間や管理の手間といった課題はありますが、売掛金の流動化における手数料の高さと比較すると、まだ透明性が高いと言えるのではないでしょうか。

今回の件を通じて、「手形がなくなる=全て良し」ではないということを改めて感じました。下請事業者が安心して取引できるためには、売掛金の取り扱いやファクタリングに関する情報をもっとオープンにし、注意喚起していく必要があるのではないでしょうか。

皆様の会社では、資金調達についてどのような課題をお持ちでしょうか?また、今回の請求債権目録のような、「まさか!」という経験はございますでしょうか?ぜひご意見をお聞かせください。

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